束縛という名の依存〜夫の深層心理
夫婦が束縛される関係となっている場合、主従関係が生まれ束縛する側が主となり、束縛される側が従となる。
たいていの場合、夫が主となり妻を束縛するパターンが多いものです。
夫が妻を束縛しはじめると、行動だけでなく思考までにも至っていきます。全て、夫のいう通りにしてほしい、妻も妻でそうでなくてはいけないと思い込んでいる場合や、そうしていかないと夫婦関係、家庭運営がスムーズにいかないからという理由で我慢しながらも夫にあわせているという場合もあるでしょう。
この夫が妻を束縛するということは、男性としての威厳を保ちたいという一面があるでしょう、特に一昔前の男性には多かったかもしれません。・・いや、若い世代でも結構あるかな・・・・
とにかく、女性を思うように采配したい、自分の支配下に置いておきたい、そうすることで自分自身が成り立つ、つまり男性としてのアイデンティティが保たれるのです。
それは、自分の思い通りに動いてくれる妻の存在があってはじめて成り立つのです。
洋服が出ていないと困る
食事の支度ができていないと困る
自分と一緒に行動してほしい
自分好みの女性で居続けてほしい
自分の思い通りの女性でいてほしい
自分ができないことは全て補ってほしい
こんなことを、自分は妻に依存していると自覚している人はまだいいでしょう。
問題なのは、自覚がないタイプです。
その場合、妻を思い通りにしたい、これを愛情だと錯覚していたり、夫というものは妻を束縛して当たり前と考えていたり、そうすると今度は自分の意見に逆らうことも許さないというところまで進んでしまうこともあり、度を越すと危険ゾーンになってきます。そして、自分の思うように妻が行動しないことが苛立ちと怒りを伴ってくる場合もあります。
こういう夫の場合突き詰めていくと、とても大きく妻に依存しているということになります。
夫のいうことを聞いてくれる妻という存在があってはじめて、自分自身が成り立つ、妻の存在なしに夫は存在できない、つまり、それだけ妻に依存しているということに他ならないのです。
主従関係の「従」であるいうことを聞いている妻の方が、依存していると思われがちですがその表面的な問題ではなく深いところまで突き詰めていくと、結局は依存しているのは夫の方であった。ということになるのです。
妻が、この夫婦関係の構図に気づくことが、この状況から抜け出す第一歩になるのでしょう。