夫婦再生にとって不倫問題は結果であって原因ではない
夫との関係をよくしたい、なぜ私だけがいつも傷つくのか・・・夫婦の問題さえなければ、私たちはいい関係であったはず。
やっぱり、不倫問題があったから私たち夫婦はおかしくなってしまったんだわ。
このように思うのが不倫問題で傷ついた妻の気持ちですよね。
だから、あの不倫問題さえなければ・・・・
そう考える時、夫婦問題の原因は不倫問題だと認識しています。
だから、どうやってその不倫を終えさせるか、そこに自分の持てるすべてのエネルギーを費やすのです。
そしてその問題に向かい合っていることや、必死でやめさせる方法を考えていることが別の意味で自分を支えているとも言えるのでしょう。(この問題さえ無くなれば、平穏な私に戻れるという認識です)
そして、不倫を認めた夫が やっぱり帰るところはここ、君を傷つけて悪かった、本当にすまない、いくら言葉や態度で示しても、なかなか妻の心は晴れない。
なぜでしょう
その夫婦問題の原因は、不倫問題ではなかったからです。
夫婦にとって、もっと奥深い別の問題があったにもかかわらず、不倫を原因と捉えてしまったからです。
不倫問題は、その奥深い別の問題の結果として表面化した問題であったのです。
夫としてのあり方の問題
妻としての関わり方の問題
夫婦の違和感を放置していた問題
夫婦となる以前からのお互いが抱えていた問題
不倫問題は結果である、そう受け止めると別の原因となるものは何なのか・・・これを掘り下げていく必要があるのです。
そして、たどりついたとき・・・「これが、夫婦問題の原因だったの?」と驚くこともあります。それは、私はこんなことに傷ついていたんだ、とか私はこんなことにこだわっていたんだ、とか本当に多岐にわたります。
ただ、いえることはこの作業は、とても苦しく辛い作業です。
自分の生きてきた歴史の中で、ずーっと認めたくなかった感情であったり、封印していた感情をひもといていくわけですから・・・
とは言っても、不倫問題が原因と思い、終結させるために費やす時間が無駄であるとは思っていません。その時間の中で、必死に生きることをして、また作業のように費やす時間が弱った自分を支えてくれている一面も大きくあります。(とても傷つくことを受け入れることになったりもするでしょう)
そんな時間を過ごすことで冷静さを取り戻すことにつながる人もいます。
本当にひと言では言い尽くせない、奥深い問題です。
夫婦の問題は、不倫だけではない〜不倫でもあればよかったのに・・妻の心の叫び〜
浮気よりも許せないこと
浮気よりも許せないことってなんでしょう?
パートナーの不倫で悩んでいる人にとって
これ以上の裏切り、許せないことってない!と思ってしまいますが・・・
この「浮気よりも許せないこと」・・ここに不倫問題の本質に近づくヒントがあるのです。
婦人公論2015年6月23日号での漫画家、柴門ふみさんのインタビューのタイトルが
『浮気よりも許せなかったのは家族の無関心』でした。
とても胸にささる言葉ですね。
多くの女性が、夫婦生活・結婚生活の中で感じる許せないこと・・そして悲しさ、寂しさの原点にもなっていること。
愛情の裏返しは、無関心。嫌い!腹が立つ!という感情は相手に関心があるからで、だからこそ、好きの反対は嫌いじゃなくて無関心と言われるのです。
浮気よりも許せない、それくらい悲しみを感じる無関心という状態。妻として、パートナーとしての存在意義、結婚というものがあなたにとってはなんだったの?
夫にとって結婚はひとつのツールに過ぎなかったのではないか・・・そんな気持ちにさえなります。
そこに妻の わたしである必要性、妻としてのアイデンテティーは全くなくなるわけです。
このアイデンテティーの喪失、がひとの悲しみの素になります。
わたしって何なの?
わたしの存在意義は?
だからこそ、夫婦のすれ違いの悲しさは 途方もない悲しさであり辛さであるのです。わたしの存在意義さえ疑うわけですから、自分を傷つける悲しい事実が起きます。
こんなわたしは存在しても意味がない、生きている価値がない、抜け出せない深い闇の世界が押し寄せます。
あなたが今、不倫問題で悔しい、悲しい、思いをしているその現実の裏側に、こんな問題は隠されていませんか?このことを感じるのが怖い、わかっているからこそ認めたくない、認めるとますます妻としてのアイデンテティーを侵される、そんな防衛反応から、なかなかこの内面の問題にまで気持ちが向き合えない時期もあることでしょう。
泣いて、泣き切ったあと、悔しいと罵倒したあと、自分の中のドロドロした感情を吐き出したあとに、この悲しみの原理由でもある、夫の無関心ということを考えてみるのも必要でしょう。
そして、この無関心問題、つきつめていくと・・・夫だけではなく妻自身にも問われる言になるのです。家庭はとても大切に思ってきた、子供も大切にしてきた、そして夫に対しては・・・家庭の夫、子供の父親としての役割を求めていただけなのでは・・
不倫問題からひもとく家族問題、夫婦問題・・・このように、いろんなところへつながっていきます。だからこそ、理由はひとつではないし、原因も複雑にからみあっているのです。
ただ、現象として表にでてきているのは不倫問題という現実の問題、それだけなのです。
あなたを理解したい気持ちと知りたい気持ちの違い
あなたを理解したい(夫を理解したい、妻を理解したい、息子を、娘を理解したい)
この気持ちが、今の悩みを解決へ大きく前進させるベースになります。
いつも私は、理解したいと思ってるのにちっとも通じないのです
そんなふうに思っていませんか?
それは、理解したいという気持ちの奥に
「わたしが理解できるように伝えてよ」という意識がひそんでいるのです。
これ、無意識のエリアにいるものですね。。。
でも、そう思われている時、問題の相手である夫とは理解しあえることは不可能なのです。
心の問題をときほぐすとき、「わたし」が邪魔をします。
いつまでたってもこの「わたし」が意識の中心にいる間は、相手のことはわからないのです。
あなたは、今どんな気持ちなのでしょう
あなたは、あのときどんな思いをもっていたのですか?
わたしがわかるように、ではなく
わたしがあなたに寄り添ってはじめて心が通じるのです。
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あなたを理解したい、というとき
あなたのことを知りたい!
この気持ちにひっぱられていませんか?
あなたのことを知りたい!
というときの主体は「わたし」なのです
知りたい、と思う時
必要以上に詮索したり、妄想したり、
自分主体の思いにひっぱられて
結局知りたい相手のこと表面的にとらえてしまいます。
特に行動ですね
昨日はどこへいった、
何をした、誰といた、
なんでそんなところへ行くの?
なんで嘘をつくの?
わたしの知りたいことはいっぱいあります。
数えだしたらキリがない
そして、その妄想は止まることをしりませんん。
次から次へと質問攻め・・・
相手をを理解するということは、そんな表面的なことではなく もっと奥深い心を感じなければいけないのです。知りたい気持ちの中の「わたし」という主語をはずしてみてください。あなたの心の中にある、わたしをいったん追い出すことで少し落ち着いて相手のことが理解できるようになるものです。
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結局は、こういうことができるのは、自分自身の心がやわらかくないとできないこと。身体のコリと一緒です、心も凝り固まっているときは心のマッサージ・リラクゼーションをうけてはじめてやわらかくなるのです。
カウンセラーの存在は、そういうためのものなんですね。
知りたい、という気持ちと理解したいという気持ち、似ているよう違うようでいて、「わたし」は大切にしながらも物事を見通す時に、いったん横における余力が生まれてきた時こそ、問題解決へ進む最初の一歩なのかもしれないです。
思い出があることの幸せと悲しさ
付き合い始め、新婚当初
「これからたくさん思い出作っていこうね」と言います。
思い出がまだない頃は、二人の思い出があることへのあこがれ、二人の歴史を作り上げていくことへの希望にあふれていました。
希望があると同時に、まだ思い出がないという不安も抱えていました。
そして月日が流れ、思い出が積み重なってきたころ
気がつくと、思い出しかない今の現実を感じるときの新たな寂しさと、これからどれだけの思い出が積み重ねることができるのだろうという不安。
また逆に振り返ると、思い出って何だったんだろう?という虚しさ。
私の思い出は出来事だけ?そのときの思いは、いったいどんなだった?
今を通じて過去の本当の思いを探る作業
夫婦関係に行き詰ると、思い出があることさえ悲しみのもとになってしまいます。
思い出に左右されるのは本当に辛いです。その思い出は確実に二人にあった歴史それでも、その思い出が今のあなたを辛くさせることもあります。
思い出が、輝くのは今の生活の輝きがあってこそなのですね。
虚しいですね、一生懸命作り上げた歴史のこと
いっそ、そんな思い出が出てこなければ私は楽なのに・・と思う人もあるでしょう。
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また、逆にいったい私の人生に思い出はあったのか・・・
大切にしたい思い出とは、出来事と同じだけの思いが感じられるからこそなのです。
私の思い出に確かな思いがあったのかさえもわからない、
信じられない、そう感じるときはまた別の意味でも虚しいものです。